ライダーのJODYが語る、
ビッグマウンテンの醍醐味とは。

JodySmithにとって大きな雪山は、ただのフィールドではなく、静かに挑発してくる存在だ。白一面の斜面に立つと、音は吸い込まれ、わずかな風のざわめきだけが残る。
その緊張感の中でボードを踏み出す瞬間、山と人が対話を始める。重力に導かれながらも、自分の意思で描く一本のライン。それは制御と解放のせめぎ合いであり、山と滑り手が交わす静かな約束のように響く。

巨大な斜面を滑り落ちるとき、Jodyの世界はシンプルになる。雪が舞い、視界が流れ、身体はただ重力の指揮に従う。だが、その瞬間に生まれるのは恐怖ではなく、研ぎ澄まされた自由だ。
スピードは数字では測れない。むしろ、胸の奥に響く鼓動や、空気の抵抗に刻まれるリズムの中で形を得る。山は試練を与えながらも、滑り手にしか触れられない純粋な解放感を差し出してくる。

滑り終えたあと、Jodyは振り返る。残されたのは一本のライン、そして静寂に戻った大地。だが心の奥には、言葉にできない余韻が残る。山はすでに元の姿に戻っているが、自分の中には確かに刻まれた瞬間がある。仲間と笑い合う時間とは異なる、孤独でありながらも豊かな感覚。
大きな雪山は、ただ滑る対象ではなく、記憶の奥で静かに燃え続ける火種のように存在する。

Jody Smith [ジョーディースミス]
国籍:アメリカ
スタンス:レギュラー
スポンサー:BREND、OAPLEY、QUICK BRONZE
ホームゲレンデ:ベアマウンテン
大きなバックカントリーを舞台に、ダイナミックなラインとスピード感あふれる滑りで知られるライダー。雪山をキャンバスに見立て、自然の地形を最大限に活かしたスタイルを追求している。映像作品やフォトセッションにも多数出演し、ライディングを通じて「自由と冒険の魅力」を表現する存在。